コラム Column

「話は手短に!」

東京オリンピックが終わりました。色々とありましたが、テロや大きな事件もなく、無事に終わったことを考えれば、それはそれで良かったと思っています。

オリンピックの楽しみ方は人によって色々あります。4年に一度しかない権威ある最高の舞台。アスリートの方々は、それこそ命を削りながら、この大舞台に来たはずです。アスリートの真剣勝負。どの競技を見ていても、真剣勝負の緊張感と迫力が伝わってきます。

無観客開催だった東京オリンピック。コロナ前のオリンピックの抽選の時から、私は、プラチナ・チケットの応募に申し込んでいませんでした。それでも、内心は下記をライブで見たかったのです。

  • オリンピックの開会式

オリンピックの開会式のチケットが一番人気だったはずです。コロナ渦の中で、無観客になりましたが、やはり、オリンピックの開会式に一番興味がありました。私が、オリンピックの開会式の中で関心があり、興味があったのは下記です。

  • バッハの挨拶

13分に及んだバッハ会長のスピーチ。「バッハの話が長い!」とトレンド入りする程の悪評です。コロナ渦で簡素化の跡が見える中。それを台無しにして逆行するように、何度も同じことを繰り返して、冗長したスピーチ。

バッハと橋本聖子さんは、これまでの五輪開催に向けた取り組みに関して、開催の不祥事や不手際への陳謝もなく、自己満足と自己陶酔感にあふれたスピーチでした。何より、陛下をお待たせしたまま、2人合わせて20分にも及びました。

  • 全く、感動しない二人のスピーチ

実は、私はこの長いスピーチは概ね想定していました。スピーチの原案は、話し手の本人だけで草案したものではないはずです。頭の良い官僚や切れ者が関わり、練りに練って作成しているはずです。

話が長くなるのには、理由があるのです。基本的には、言い訳と伏線を織り交ぜて自分たちの正当性を主張するからです。

  • 単に、話が長いのではないのです。

コロナ渦で五輪を開催する表向きの理由はすべてバッハのスピーチに集約されているのです。IOC会長のバッハは、アスリートであると同時に弁護士です。アディダスの役員にも就任していたことがあり、何かとスポーツには関係の深い人間です。

バッハのオリンピックの挨拶は、きちんと自分たちの主張を述べた弁護士らしい論理的な展開で見事なスピーチとも言えます。

緊急事態宣言が出されて、五輪開催中止の日本の民意がある鉄火場。その鉄火場で、粛々と、開催に向けた挨拶をしていくバッハ。ある意味、見事なスピーチでした。

最初に、陛下を出して敬意の気持ちを示して、最後に 陛下を出して締めて繋げるところも見事でした。日本が象徴天皇制であることを理解したうえでのスピーチです。

あちこちの方面にお礼を述べながら、「一層の連帯」という綺麗な言葉を連発。さらに、その「一層の連帯」という言葉の意味を展開させて三密回避のコロナ渦の五輪を正当化していく論調。

実は、弁護士であるバッハの論理的なスピーチは色々と勉強になるので、録画しておいたので、何度も見返して、今後のビジネスの参考になるように自分の中で消化させました。

バッハの挨拶を聴きながら、森さんが、「女性は話が長い」と言ったのを思い出したのは、私だけではなかったと思います。

バッハの挨拶を何度も再生して見る度に、したたかなバッハのやり口が分かってきて、色々と気が付き、色々と勉強になるのです。

人事制度の説明会のときに、私は最初の挨拶文を丁寧につくり込みます。個人的には、あのトップの文章がコンサルティングの中で一番価値があると思っています。

プロジェクトの打ち合わせのときには、常に、頭に説明会のことを入れて打ち合わせをしています。私は、度々、下記のことを説明します。

  • 質問の回答は、
    すべて最初の挨拶文章に
    書いてあります。

「佐々木の話は長い」、「佐々木の打ち合わせは長い」ので有名ですが、長いのには、理由があるわけです。

私は、積み木の一段目から説明しているから長いのであって、積み木の一番上だけで良いのであれば5分で済ませることが出来ます。

理解に理解を要する論点が多く、完全に消化して頂き、理解を確認して頂きながらの対応のため、話が長くなるのです。それに、私は、自分が一方的に話して説明するような打ち合わせはしていません。話を聴いてその話にコメントをして、お互いの理解を確認しているので、打ち合わせが長くなるのです。

コロナ渦で三密回避が続きます。働き方改革も施行されて、世の中、時短がテーマでもあります。話が長い人が嫌われるのは頭では分かっております。

  • 「話は手短に!」

オンライン打ち合わせが増えたこともあり、何よりコロナ渦ですので、最近は、打ち合わせは短めです。しかし、ポイントを絞った手短な打ち合わせをしたら、物足りないとの意見もありました。色々なケースや様々な意見があるということでしょう。話というのは、いつも難しいものです。

長文メールになりましたが、最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。

作成日:2021年8月16日 屋根裏の労務士

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