コラム Column

「クライアントとの京都観光!」

先月の月末に、京都に出張をしてきました。新制度導入の説明会です。午前中の比較的に早い時間で仕事が終わりました。

11月下旬の京都。一番紅葉の見頃の時期。京都が、艶やかな楓の赤に染まる時期。幻想的な世界に包まれる時期。

京都の出張は、だいぶ慣れてきています。個人的にも、京都が好きで、プライベートでも度々、京都には足を運んでいます。

今回、出張の仕事が無事に終わった後、クライアントの方と京都談義で盛り上がりました。そしたらその流れで、私が、紅葉シーズンの京都をクライアントの役員の方に、ご案内することになったのです。

実は、10年ぐらい前、初めて京都に出張したときここのクライアントの方と、一緒に、京都観光をしたことがあります。出張の仕事が終わり、午後、クライアントの方から京都をあちこちと、ご案内して頂いたのです。

あれから、かれこれ10年の月日が経ちました。お陰様で、その間に、いくつものプロジェクトのご依頼を頂きました。その都度、説明会で京都に来ることがあり、京都には、だいぶ精通しています。

京都の地理感は、だいぶ掴んでいます。名所の大まかな場所はもちろん、だいたいの距離感、時間間隔、料金感覚も把握しています。電車、バス、タクシーを、上手く組み合わせて利用して、効率良く、名所を回ることが出来ます。

今では、京都に拠点を持つクライアントの方より京都観光について、詳しくなりました。私も、ちょっとした京都通です。京都に支社があり、毎月のように、仕事で来ているような場合、逆に、観光などは、しないものだと思います。考えてみると、私も、地元の観光を、本格的にした記憶がありません。

今回の出張も、昨年に引き続き、紅葉の見頃の時期。なんて、タイミングが良いのだろうと、クライアントに感謝、感謝、感謝です。今回は、私が、クライアントの役員に、京都をご案内させて頂きました。紅葉の名所、東福寺を中心に、ご案内です。

東福寺は、あまり、修学旅行などの団体客はいません。禅寺ですので境内は広いのですが、観光バスを駐車する場所がないからだそうです。そのため、一般に東福寺は、馴染みが余り無いかもしれません。

東福寺は、京都駅から一つ目の駅。下車後10分程度の距離。個人観光はしやすく、お勧めのスポットです。特に、秋の時期は、京都でも抜群の紅葉名所。約2,000本の楓が真赤に染まる絶景です。通天橋から眺める紅色の楓の海。繊細な楓の雅やかな美しさ。

ちなみに、東福寺には、桜の木は1本もありません。これには次のようなエピソードがあります。室町時代、将軍足利義持が、東福寺の画僧、吉山明兆に、絵のほうびとして望むものをたずねました。すると、吉山明兆は次のように答えました。

「境内に桜が増えれば、遊興の地となってしまいます。修行の妨げとなるので、桜を禁じてください。」

これを聞いた足利義持は感動して、東福寺境内の桜すべてを切り倒させた、と伝えられています。このようなエピソードには、諸説があるものですが、私は、次のように感じています。

  • 「東福寺は、春の桜を捨てて、秋の紅葉を選んだ。」

京都で、春の桜と秋の紅葉を両方とも楽しめるスポットは比較的に、たくさんあります。京都で観光客の数、NO1の清水寺。清水寺も、春の桜と秋の楓を両方とも、愛でることができる観光スポットです。

しかし、東福寺の先人たちは、秋の楓の美を追求してあえて、楓だけを選んだのだと思います。秋の時期に枯れ木のような桜の木がありません。そのため、秋の楓の美しさが、より際だっているのです。

私が、京都をご案内するとき、観光ガイドのような知識は、あまり話しません。現地に向かうまでの間に、簡単にスポットの知識的な概略は、ご説明します。現地では、「自分が感じる美」について、少しだけ話をして、あとは、自分自身で、その美しさを感じて頂くようにしています。

この「美しさを感じる」ということが、ビジネスをはじめ、人生において、極めて大切なことだと捉えています。「美しさを感じる」ということは、何か知識を持って、実利的に教えることが出来ないからです。

「美しさを感じる」とは、その人が培ってきた、「情緒力」に他ならないのです。私は、「情緒力」を次のように理解しています。

  • 美的感性、もののあわれなどの価値を
    自らのものとして受け止め、理解できる力。

私は、人としての総合力は、この「情緒力」だと捉えています。

  • 労務も、この「情緒力」が大切。

クライアントからのご相談を、自らのものとして受け止め、理解が出来なければ、労務の相談は出来ないと思います。

弊社のクライアントは、担当者の中で、社労士の資格を持っている方もいます。それでも、制度策定に伴う各種の判断をするのは、この「情緒力」を持つ、幹部の経営判断です。

細かい知識的なことなどは、大局的な視点では、大きな労務の制度導入をする場合、ほとんど関係がないのです。

『法律的に正しいか否か?』、
『どのような法律効果があるのか?』などなど。

上記のようなご相談の知識のベースになるものは、物事の本質を見極める、「情緒力」での総合判断なのです。人の上に立つ人には、細かい知識ではなく大局的な判断をするための「情緒力」こそ、必要なのです。そのために、日頃から、様々な情緒を理解できる感性を養っておくことが大切になってくるのです。

秋、幻想的な京都の美。それを自分の中に取り込んでおくことは、労務のコンサルティングをする上でも、大切なことだと捉えています。

今回、東福寺の近くにある隠れスポット。光明院もご案内させて頂きました。光明院は、私が、好きな日本庭園の一つ。人で溢れた東福寺とは違い、いつも閑散としています。落ち着いた雰囲気で、庭園を鑑賞することが出来ます。

各種、京都観光をして、最後に茶店に入った時、クライアントの役員が、ぽつりと言った一言。

「今回の京都観光の中で、光明院が、一番、良かったです。」

何だか、少しだけ、私の情緒が伝わったような気がして、嬉しい気持ちになっていました。秋、艶やかな紅葉の京都。京都の空に、幸せな気持ちが広がっていました。

作成日:2013年12月9日 屋根裏の労務士

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