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『実務的』、『実利的』とは何か!

先週は、年に一度の社労士試験がありました。受験された方はご苦労様でした。クライアントの人事・総務担当者の中でも、受験された方がいると思います。弊社のクライアントの事務担当者は、社労士資格を持っている方が結構います。毎年、試験合格後、ご報告を頂く中で次のようなご相談があります。
  • 『試験に合格したが、その後、何をしたら良いのでしょうか?』

相談を受けていると、折角、苦労して合格したので、ペーパー・ドライバーのようになりたくない。
次のステージに向けて、ステップ・アップしていきたいという相談です。相談を受けていると次のような相談も出てきます。

  • 『何か勉強したいので、何か良い本を紹介して欲しい。』

私は、試験合格直後の方から頂く、上記の質問に対して、次の返答をしています。

  • 「受験で使ったテキストを読み直すこと」
    「受験で使った白書を読み直すこと」

合格者にとって、上記二つは宝となるでしょう。これは受験勉強の思い出の精神的なものではなく、実務の入り口でも、結構、役に立つのです。

私は、本を紹介することは、基本的にはしません。理由は、本人のレベルによって、その人にとっての良い本は異なるからです。目的によって利用する本は、異なっています。知識を得るための本、理解を得るための本、辞書のような本など。専門書には、様々な用途があるのです。また、試験合格後、次のステージにステップ・アップするための第一歩は、次のようなことだと考えています。

  • 「正解のない労務の世界に入ること」

これまでの受験勉強は、出題された問題に対して、すでにある正解を導くための知識の反応訓練だったと思います。次のステージにステップ・アップ出来るかどうかは、「正解のない労務の世界に入ること」だと捉えています。そのための第一歩は、何でもまずは自分が手探りでも、探し出すことではないでしょうか。

大型書店に行っても、社会保険・労働保険についてのコーナーは広いスペースではありません。専門コーナーですので、むしろ、狭いスペースでしょう。その中で、「現在の自分にあった本」を自分で見つけ出し選ぶのです。本を選ぶことで、本に対する「目利き」のような直観力が身に付き、購入する行為自体に学習効果があり、自分を成長させるのです。

社労士資格は、比較的に、『実務的』な資格でしょう。受験科目7科目のうち、「労働基準法」と「一般常識」以外の5科目は、すぐに社会保険の手続きで、役に立つ知識です。もちろん、実務の手続きが出来るようになるためには、一定の経験を必要としますが、受験で勉強したことは、実務でもかなり役に立つはずです。

社労士資格の内容は、抽象的で実務から遠く離れたものではありません。現実の社会保険の世界の中での、『実務的』な内容なのです。さらに言えば、勉強した知識がダイレクトに役に立つ『実利的』な側面が強いでしょう。さて、ここで皆様に次のことを考えて頂きたいのです。

  • 『実務的』であり、『実利的』であるということの「デメリット」は何か?

『実務的』、『実利的』であることのメリットについては、簡単だと思います。実際の仕事に各種、役に立つのですから。しかし、『実務的』、『実利的』であることの「デメリット」については、余り意識したことは無いのではないでしょうか。

上記は、資格の内容に関することだけではありません。他の件でも、あてはまることだと思います。日々のビジネス活動や会社経営の中の多くは、当然、そのほとんどが『実務的』なことであり、『実利的』なことの連続でしょう。

私は、ビジネスマンになり、長い間、この『実務的』、『実利的』というキーワードをあれこれと考えています。育成・指導する立場になってからは、特に強く意識するようになりました。

  • 『実務的』であり、『実利的』であるということの「デメリット」は何か?

次回以降で、上記について考えていきたいと思います。

作成日:2011年9月5日 屋根裏の労務士

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