コラム Column

「大切な贈る言葉」

4月になり、新年度を迎えました。先週は多くのクライアントで入社式がありました。入社式は、新入社員だけではなく、採用を手掛けてきた人事・総務部門にとっても、晴れ晴れしく、嬉しい日でもあります。何より、新入社員にとっては、社会人としての門出です。これから何十年にわたって活躍する社会への第一歩です。
  • 皆様は、今年の新入社員に対して、
    どんな言葉を贈ったのでしょうか。

私は、入社式や新入社員研修の言葉。『迎え入れる挨拶』ではなく、「大切な贈る言葉」だと考えています。

社長の講話や取締役の訓示など。あれこれと考えてスピーチをする側の苦労は、社員の方はつゆ知らず。勤続年数を積み重ね、ベテラン社員になってくると、飽き飽きとしたお決まりの言葉に聞こえてくるものです。

しかし、まだ、右も左も分からない新入社員には、一つ一つの言葉を、素直にそして真剣に受け止めて、働く上での大切な指針となるはずです。入社式や新入社員研修での言葉。職業人生の指針となる「大切な贈る言葉」になるはずです。

小生も入社式や新入社員研修のときに、社長や取締役、諸先輩方から、頂いたお言葉。今でも、仕事をする上での自分の精神にしかと植え付けられているような気がします。

雇う側の企業にとっては、入社式や新入社員研修は、会社のミッションや企業の精神を伝え、企業人としての在り方を教え、夢を与える絶好の機会です。弊社のクライアントの多くは、新入社員研修の時に、下記の説明をしている企業が多いと伺っています。

  • 就業規則の説明

  • 評価制度の着眼点の説明

企業は、組織活動を通じて、社会的な役割を果たし、利益を上げ事業を継続的に営み、成長、発展していきます。そのためには、一人一人が守って頂く、最低限のルールがあります。そのことを定めたものが就業規則です。

ご存じの通り、小生が手掛けている就業規則は、精密かつ詳細に条文が策定されています。しっかり、かつ、柔軟に、運用が出来るように工夫して一つ一つの条文に想いを込めて、策定しています。

精密かつ詳細につくり込んである就業規則。一見すると、社員を拘束するための手段として受け止められることもあります。小生は、社員の方々を拘束するために就業規則を策定しているのではありません。むしろ、その逆です。社員の方々に自由になって頂くために、就業規則を策定しているのです。

小生は、「自由かつ厳しい」社風の企業で、育ち、鍛えられました。そのため、縛られることが好きではありません。また、他の人のことを縛ることも好きではありません。クライアントの社員の方々にも、自由で、楽しく、職業生活を送って頂き、それぞれの自己実現をして頂きたいと願っています。

そのためには、「義務と責任を果たすためのルール」が、必要になってくるはずだと考えています。自分が、自由で楽しく生きていくためには、果たすべきことがあります。それは、次のことです。

  • 他の人のことも尊重して、
    お互いに決められたルールを守ること

会社と働く人との信頼関係が壊れていくといき。
誰か大切な人との人間関係が壊れていくとき。

他の人のことを尊重が出来なくなったときです。お互いに守るべきルールを、守れなくなってしまったときです。何より、『身勝手な自分』が出てきてしまったときなのです。

「自由」とは、『身勝手』が許されることではありません。『身勝手』は、他人を蔑ろにする行為であり、「自由」は、他人を尊重する行為なのです。

私は、縁あって知り合った人との大切な絆。失いたくありません。だから、お互いが守るべき必要な取り決め事項に関しては、ドキュメント化にして、ルールにしておくことが大切だと考えています。

私は、会社と働く人との関係。働く仲間同士との関係。壊したくありません。だから、大切なことは、事前に取り決めをしておき、それぞれの立場の人に、組織活動を行うためのルールを、それぞれが自主的に守って頂きたいという想いがあります。

小生が策定する就業規則は、そんな想いが連なって、詳細かつ精密につくり込んであるのです。新入社員研修で、就業規則の説明をするときに、作成者のそんな想いも、新しく仲間になる方々に、語って頂けたら、嬉しい限りです。

就業規則が、社員の一人一人に守って頂くルールを明文化したものに対して、評価制度の考課要素である着眼点は、下記であると考えています。

  • 会社が求める行動基準や成果を明文化したもの

評価制度は、会社がやって頂きたいこと、会社が求める成果を考課要素に応じて、「会社が求めている行動基準」として明文化して社員に示すものです。日々の活動に関して、「会社が求めている行動基準」を社員一人一人に頭に入れて頂き、それを踏まえて、自主的に活動して頂く指針となるものです。

会社の「強み」について、会社がしかと理解してうえで、社員に対してもその「強み」を伸ばして頂き、進化かつ深化させて、会社の戦略を各人の戦術に落とし込むためのベースとなるものです。

評価制度の着眼点は、これまで会社が大切に培ってきた人材戦略や経営戦略の「強み」や『課題』が、ドキュメント化され、具現化されたものでもあります。その評価制度の着眼点の意味することころ。形式知では伝えることができない暗黙知に関して、新入社員研修のときに、伝えることができたら理想的です。

フレッシュな新入社員の時期だからこそ、届くメッセージもあります。新入社員が入社した会社を誇りに感じるような熱いメッセージ。弊社のクライアントの役員の方々は、既に、されていることと思います。

小生が策定した就業規則や評価制度も、新入社員の熱きメッセージとなっており、職業人生の指針になっていれば、嬉しい限りです。

何より、新入社員の方々が、縁あって自分が選んだ会社。

しっかりとした就業規則があり。
しっかとりした評価制度があり。
しっかりとした会社に入社が出来たと。

少しでも感じて頂けていれば、顧問の社労士として、何より嬉しいことであります。

作成日:2017年4月10日 屋根裏の労務士

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