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「星の王子さま」

例年9月に、クライアントの懇親会が箱根のホテルで開催されます。そのため、1年に1回、箱根観光をする機会があります。箱根は、東京からのアクセスが良く、豊かな自然と温泉があり、手頃な観光スポットです。

四季折々の自然の景色が美しく、美術館や博物館、レジャー施設が多数あり、何度、足を運んでも楽しめる観光スポットです。数ある箱根の観光スポットの中で、今年は下記を訪れてきました。

  • 「星の王子さまミュージアム」

「星の王子さまミュージアム」は、小説・「星の王子さま」をテーマにしたミュージアムです。園内には、「星の王子さま」の作者・サン=テグジュペリの生涯に関する展示ホールが設置されています。

「星の王子さまミュージアム」は、サン=テグジュペリ生誕100年を祝して、世界的記念事業の一環として、1999年に設立されたミュージアムです。

「星の王子さま」は、子供でも読める本です。私も小学生のときから愛読している本です。2年ぐらい前に、しくじり先生でオリエンタルラジオの中田敦彦さんに紹介されて一時期、話題にもなりました。「星の王子さま」は、単なるブームではなく、時代を超えて読み継がれてきたベストセラーです。

小生は、iPadにダウンロードして、忘れない様に、繰り返し読み直しています。初版以来、200以上の国と地域の言葉に翻訳。世界中で総販売部数1億5千万冊超え。

「星の王子さま」はページ数の少ない簡単な内容の本です。書いてある文章を目を通すだけであれば、30分もかかりません。しかし、私は「星の王子さま」を繰り返し繰り返し、読み返しています。

「星の王子さま」を読み返す度にしみじみと思うことが2つあります。一つは、下記のことです。

  • 人間の記憶というのは、
    忘れやすいということ

人間の記憶というのは、困ったものです。忘れたいと思っている自分が経験した嫌な記憶。トラウマのように覚えているものです。一方、童話のような簡単な話で、感動的な内容でも、自分が経験していない記憶。時間が経過すると忘れてしまうということです。

「星の王子さま」を読み返す度に、しみじみと思う、もう一つは、下記のことです。

  • 理解には、深さがあるということ

もう、自分は、その話は知っており、その教訓は十分に分かっていると思ったことでも、様々な経験を積み重ねた自分の成長とともに、「気が付く大切な何か」があるということです。

「星の王子さま」は、子供の頃から知っています。大人になってからも何度も何度も読んだはずなのに、読み返す度に、理解が深まり、「気が付く大切な何か」があるのです。

何度も読み返しても、意外と新鮮なのです。自分が読み返したときに、置かれた自分の境遇や状況によっても、「人生の大切な何か」の意味や理解が異なるものだからだと思います。

「星の王子さま」の小説は、「人生の大切な何か」を風刺した内容です。サン=テグジュペリは、「星の王子さま」の短い童話の中に、たくさんの人生で大切なことを教えてくれています。色々なことが風刺されていますが、「星の王子さま」の一番のテーマは下記です。

  • 「本当に大切なものは
    目に見えないということ」

「本当に大切なもの」は、外見や数字などでは見えないということです。形や数字だけでなく、言葉では表現出来なくても、「大切なもの」があるということは、誰でも、頭では分かってはいると思います。

  • 「大切なことは、心で見ないと
    見えないということ」

上記のことに王子が気付くことに至るエピソードの中に、「星の王子さま」が時代を超えて読み継がれてきた理由があります。

地球に来る前に、王子は、自分の星で、『この世に、たった一つという、珍しい花』を持っているつもりだった。ところが、『この世に、たった一つという、珍しい花』は、実は、当たり前にたくさんあるバラの花を一輪持っているだけだと分かった。

自分が手に入れていたバラ。それはありふれた、たくさんある、つまらないものであったのかと思い、がっかりして悲しくなり、泣く。

そこへ、キツネが現れたので、悲しさを紛らわせるために 「ぼくと遊ばないかい?」と言うと、「仲良く」ならないと遊べないとキツネは言う。

今、あんたの目に、俺は『十万ものキツネと同じ』だが、「仲良く」なると、あんたは、俺にとって、「この世でたったひとりの人」になるし、俺は、あんたにとって、「かけがえのないキツネ」になるんだよと話す。

これを聞いた王子は、いくらほかにたくさんのバラがあろうとも、「自分が精一杯の世話をしたバラ」はやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだと悟る。同じバラでも、自分の星に咲いたバラが「世界にたった一輪しかないバラ」だと気が付くのです。

  • 「仲良くなる」とは、
    あるものを他の同じようなものとは違う
    何か特別なものになること

あるものに対して他よりもずっと時間をかけ、何かを見るにつけ、それを縁にして、頼りにして思い出すようになること。つまり、「仲良くなる」ということは、下記のことだと思うのです。

  • 相手が自分の「何か大切な一部」となり、
    そして、相手も自分が「何か大切な一部」となること

「星の王子さま」を読み返す度に、いつも感じるのです。

私が対応をさせて頂いたクライアントの一つ一つ企業。
世の中に、たくさんある企業の1社ではないということです。

私が関わり、私が時間をかけて、私がお世話をさせて頂きながら、私が対応させて頂いた特別な企業。それぞれのクライアントが、私にとって、「世界にたった一輪しかないバラの花」だということです。

作成日:2018年12月25日 屋根裏の労務士

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