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「原理原則は叩き込め!」

弊社のクライアントは、新卒採用を中心とした採用計画をしている企業が多いです。そのため、例年2月から3月にかけて、4月に入社する新入社員に対しての相談も増えてきます。

入社後も、マナー研修からはじまり、各種の新人教育なども活発に行っているようです。その中で、就業規則などの研修をしている企業も多いようです。「就業規則を活用して、新人研修をしました。」という話を聞くと作成者の私は、嬉しい限りです。

皆様の企業でもこれから、新入社員に対して各種企業研修があると思います。どんな研修であっても、皆様に是非、意識して実践して頂きたいことがあります。それは、次のことです。

  • 「原理原則を叩き込むこと!」

理想の上司などのアンケート結果などを見ると、上位には、大抵、次のような『自分』を中心とした調査結果になると思います。

  • 「自分の力を引き出してくれる上司」

  • 「自分の可能性を引き出してくれる上司」

  • 「自分を高みへと導いてくれる上司」

上記のような世論を前提とした書籍や研修も多いと思います。そのために、コーチングなどの技法などを勉強したり、研修まで受けている管理職も多く見かけます。

押し付けるのではなく、気づかせることが大切なのは指導のイロハのイであり、説明するまでもありません。今の時代、何か叩き込んで指導するような上司は、嫌われることが多い世論があるのも事実でしょう。そんな世論の中で敢えて、次のことを実践して頂きたい。

  • 「原理原則を叩き込むこと!」

私は、ベースとなる物事の真実となるようなことは、叩き込んで教えていく必要があると思っています。ゆとり世代の方々に限らず最近は、次のようなことを言ってくる傾向があるのです。

  • 『何で、ですか?』

失われた20年の中で、物事の当り前や常識を疑い、常に考えることの大切さを教えることが増えた気がします。しかし、それが良いように機能せずに、悪いようになっていることも多いと思います。

「本当に大切なこと」は、問答無用に叩き込んでも良いのです。このような意見に反対の方々は、すぐに、エジソン、ダヴィンチ、モーツアルトなどの世紀の大天才を出してくる傾向にあります。彼らのような大天才は、脳の異形による異才であり、神が与えた人類の宝なのです。

優良企業のキーパーソンになるような方々は、若い世代に徹底的に、その会社のコア・コンピタンスとなる技術を叩き込まれただけでなく、その考え方も叩き込まれているのです。技術的な強みだけでなく、考え方の強みも叩きこまれ、皮膚感覚まで自分の血肉となっているのです。

人という最重要の経営資源は、技術的な強みをいくら教え込んでも、身につかないのです。その会社の技術的な強みの根底には、道徳的、精神的な考え方の強みが影響しているからです。影響しているというより、考え方の強みが大きく存在しており、実は、車の両輪なのです。

ゆとり世代の方々は、大切に、大切に育てられてきた世代。これまで、叩き込んで教え込まれた経験が少ないのです。一方で、管理職の方々も叩き込んで教えていくことの大切さを忘れている一面があるのです。最近は、どの世代の方でも何か指導をすれば、ふて腐れたり、泣いたり、逆キレしたりなどなどです。手を焼いていることが多いのも事実でしょう。

人間は、自由な存在であり、押し付けられることを嫌がります。特に価値観を押し付けられることほど、嫌なことはないでしょう。そんな常識は、弊社のクライアントは十分に認識しているのです。そのために、コーチングなどの研修を受けたり、外部講師を招いて教育したりしているのでしょう。
だからこそ、敢えて、私は下記のことうを伝えたいのです。

  • 「本当に大切なことは、押し付けても良い!」

コーチングにより気づかせることは大切です。私のコンサルティングの多くもコーチングと言えるはずです。私は、これまで、希望退職制度や給与制度の減額改定のような会社あげての大規模なプロジェクトの依頼を請けた場合でも従業員の弱みや失敗を盾にしたロジックの交渉指導など、やっていないはずです。

それでも、会社が望む対象者に対して一定の対応ができました。それは、押し付けによる強制ではなく、形式的にでも相手の意思によるものだからです。それを踏まえて、言っているのです。

  • 会社が大切にする道徳的な価値観は、叩き込み、押し付けても良い。

なぜなら、会社が大切にする道徳的な価値観は、数ある真実の中から、会社が過去に大切にしてきて、未来でも大切にしていきたい真実だからです。組織の中にいると自分達の価値観や文化は空気のような当たり前のようなものであり、気が付かないかもしれません。しかし、私のような立ち位置で、企業に関わる者から見ると下記のことに気がつくのです。

  • 道徳的な価値観や精神性は、企業文化のベースにあり、会社のコア・コンピタンスとなる技術やノウハウに、密接に繋がっている。

そのことを真に理解するためには、その会社でビジネスの実践を体験するしかなく、言語による形式知だけでは、教えることが出来ないと思うのです。会社の経営理念や行動指針などの数々のドキュメント。私が作成した労務に関するドキュメント。新入社員が、その意味を真に理解するのは、実は、ずっと先のことだと思うのです。

作成日:2012年2月6日 屋根裏の労務士

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